カルト宗教に嵌ると悲惨な結末に巻き込まれる話
あるところに、純朴・純粋な女性がいました。
彼女は犯罪行為は何もしない、ごく普通の市民でした。
しかし、何かこう、自身の考えに芯がありませんでした。
ある日、駅前で、とある宗教の信者に声を掛けられました。
その宗教は世間一般からカルト認定されているヤバイ宗教でした。
しかし、その宗教の信者達自身は、特に危険人物ではありません。
ここでいうヤバイというのは、悪人が他人に加害するという意味ではなく、本人には何ら他人に危害を加えるつもりはなくとも、傍から見れば善人だろうとも、結果的に、相手の人生を台無しにしてしまう破壊力を秘めた人物、という意味です。
この時、女性は心が弱っていたこともあり、そのカルト宗教の信者の勧誘を真剣に聴いてしまいました。
それで、無料で相談に乗ってくれるというので、その日の内に、そのカルト宗教の施設に赴きました。
そこには祭壇があり、ヤバ目の修行をしていました。
最初は怪訝に思った女性も、引き続き悩み相談に乗ってくれたこともあり、そして他の信者達も皆一様に優しいこともあり、その宗教施設に、その時から頻繁に訪れるようになりました。
一年後、そこには立派なカルト信者となった女性の姿がありました。
実はその女性は入信前の時点で既に結婚しており、幼い子供も三人いましたが、育児をほったらかしにして、宗教活動に熱心にのめり込んでしまっていました。
そのせいで自宅は荒れ放題、幼い子供は三人ともひもじい思いをしつつ、毎日空腹に耐えていました。
旦那さんはそれでも妻の帰りを待ち続けていました。
が、一向に女性は自宅にはろくに帰らず、ほぼ宗教施設に住み込みで宗教活動にのめり込んでいました。
資産も、入信してから三カ月以内に、実家の土地も含めて、この女性が勝手に全部売り払い、売却して得た資金は全て教団に寄付しました。
そうすることにより世界が良くなり、自身も死後に極楽浄土に行けると洗脳されていたからです。
救いようがない地獄が、この家庭に現れました。
多分、今後もこの女性は目覚めることはないでしょう。
なぜなら、まだまだ元気だからです。
今後数十年、ずっと教団の為に無償奉仕を続け、老体になって働けなくなった時、漸く教団からポイ捨てされ、その時に気付くでしょう。
ああ、今迄の私の人生は一体、何だったのか・・・と
終わり