ある日、ある人が自殺しました。
その人は、死ねば楽になる、つまり〔無〕になると思い込んでいました。
で、自死しました。
が、結果は、死後にも意識はばっちりありました。
しかも、眠れないで、四六時中、意識がはっきりしているのです。
だって肉体がないんだもの、もう睡眠をとる必要もない。
この人は今、霊体になっているのですから。
よく幽霊は夜にしか出ないと思い込んでいる人もいますが、それは違う。
昼間は太陽の光で透けて見えないだけです。
昼間も意識ははっきりとあるのです。
で、ずっと彷徨う羽目になりました。
なぜでしょう?
それは、生きる義務から逃げたからです。
辛いこと、苦しいことから一時的に[生きたまま]逃げるのなら、まあ、その時の状況にもよりますが、大抵は許されるでしょう。
寧ろ、過労自殺してしまうような人ならば、逃げた方が良いことが殆どだ。
が、この人は[生きることから逃走]してしまいました。
自殺で。
事故死や病死ならよかったのですが、自死なので、これは駄目なのです。
神の観点から駄目なのです。
だから、この自死者は罰を受けているのです。
いつ助け出されるのでしょうか?
そりゃ、いつかは助け出されるでしょう。
が、今はまだ、生きる義務を途中放棄した罰を受け続けています。
本来の、この世で生きなければならなかった寿命まで。
辛いねえ。苦しいねえ。
でも仕方がない。
自業自得ですから。
魂は知っていたのになあ。
自死してはならない、ということを。