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齋藤健一の人生応援ブログ💙

過失致死の童話

 〇〇は寝不足だった。

 

 前日、いや、前日というか、当日の午前四時までテレビゲームとかSNSをして起きていたからだ。

 

 そう、この日も朝から勤務があるのに、睡眠時間が二時間半しかとれなかった。

 

 それで電車の運転士なのだ。

 

 鉄道会社の規則としては、しっかりと睡眠をとらねばならないとあった。

 

 が、ついつい欲望に負けた。

 

 面白いテレビゲームが発売されたばかりなので、ついつい止め時を失い、深夜になっても起き続けていた。

 

 ショートスリーパーでもないのに、睡眠時間がたったの二時間半で、電車の運転をすることになった。

 

 しかし、周囲には睡眠不足を悟られないようにした。

 

 なぜなら、睡眠不足と判明したら、その日は電車の運転はさせてもらえなくなるから。

 

 そうなれば当然、減給となるし、睡眠不足で電車を運転しようとしたので、始末書も書かされるからだ。

 

 だから睡眠不足がバレないように、カフェインを摂取しまくった。

 

 モンスターエナジーを一気に三本空けた。

 

 その結果、睡眠不足と、一気に過剰なカフェインを摂取したことによる体調の悪化により、まともに運転をすることが出来なくなった。

 

 しかも悪いことに、それは出発前ではなく、まさしく運転中のカーブに差し掛かる手前であった。

 

 〇〇はフラフラした脳で、まともな判断が出来なくなり、減速すべき場所で、逆に加速した。

 

 結果、脱線した。

 

 死者154名、負傷者156名。

 

 建物の被害、多数。

 

 マスコミが大挙して押し寄せて来た。

 

 鉄道会社の社長、謝罪。

 

 莫大な補償交渉、開始。

 

 一人の人間でも、これだけの損害を与えることが可能なんだなあ。

 

 過失致死なんていう四文字で片づけてよい話題ではない。