ヤニカスの告白
みしまゆきこ 作
告白します。
私はタバコをずっと吸ってきました。
そう、ずっと、もう何年も。
そのせいで、今では立派なヤニカスです。
頻繁に咳がゴホゴホと出ます。
もう肺もズタボロです。
汚い箇所を拭いた、あのベットリと黒ずんだ汚れがついた、雑巾、それを見たことおありでしょう?
あんな感じで、私の肺もそうなのです。
もう助からないのです。
いいえ、人間、いつかは必ず死ぬもの。
でもね、私は、そんな私でも、あともうちょっと生きたい気分なの。
けっして、今すぐ、いや、あともう少しで逝きたい気分ではないのよ。
ああ、女って、そんな、ああ、可憐なイメージがおありでしょう?
なのになぜ、私はこんなに汚れているのでしょうか?
なぜ私は、何の益にもならないタバコなんて、始めてしまったのでしょうか?
最初に吸い始めた頃なんて、ほんとに苦しくて、あんなの、ゲホゲホ、一体何が良かったのかしら?
まだ子供が三歳と五歳なのに、私はもう死なねばならない。
ああ、悔しい!
ああ、悔しいです。
なんでわざわざ自腹を切り、自分の体を蝕む悪魔を長年にわたり購入し続けたのでしょう?
そのせいで、ああ、私の体は、もう朽ち果てるのです。
体のなかみの臓器が、ああ、もう持ちません。
どなたか、哀れな私に、あなたの、その若くて健康的な臓器をくださりませんか?
あと、すみませんが、臓器移植の手術費用も恵んでくださいませ。
手術費用だけで、一体いくらになるのかしら?
数千万円ですか?
もともと、それだけの価値が、私の体にはあったのに・・・
ああ、なぜ私、あんな悪魔の煙を吸い続けてしまったのでしょう?
一体、何の得があったのか?
今となっては、悔いしかありません。
私はもうすぐ墓に入ります。
骨となって。
まだ若いのに・・・
あああ
あ、あ
あ
おわり